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ECに参入したいメーカーは別会社設立がおすすめ

最近バタバタしていたため久々の更新となります。実はわたくし勤めている会社の代表取締役に就任いたしまして、手続きやら何やらで忙殺されておりました。

肩書だけで言えば2度目となるのですが、以前はオーナーが実質のトップというような形式でしたので実際のところは今回が本当の社長業という事になります。今後は新米社長ならではの記事なども書いていければと思います。

ところで今に始まった事では無いですが、メーカー業を営む経営者の方からECへの参入を相談される機会が多いです。かくいう私の会社もその一つですが、こちらはECに特化した別会社を設立して運営してまいりました。

ただBtoBの企業がBtoCに参入するには思っている以上に問題が山積していて、一朝一夕でできるものではありません。それを甘く見て多くの企業がECに乗り出しては失敗しています。

製造卸業が小売業を行うわけですから何から何まで違います。そこで私が最初にアドバイスするのが分社化です。

別会社にした方が良い理由

たしかに会社を新規に設立するのは大変なことです。しかしながらそれだけの覚悟がないと成功しないという事です。それに別会社にしない事で様々なデメリットが発生する事になり、下記のように企業が成長する上で非常に大きな懸念材料となります。

人気商品の取り合い

ECで成功するコツは少ない型数でオリジナル人気商品を作り、独占して息長く売る事です。そのお店でしか買えない商品であれば送料を無料にする必要も割引やポイント付与を行う必要もありません。高利益率で長く売り続ける事ができますが、卸販売があればあらゆるお店に出回り値下げ合戦になるでしょう。そうなるとせっかく苦労して生まれた人気商品がすぐに死んでしまいます。

ではECサイト専用商品という事で、他社への卸は行わないと決めたとします。そうすると楽天やZOZOTOWNなどのランキングで上位にいる人気商品を卸してもらえないショップは不満を覚え、営業担当からも不満が出ます(これは実際によく聞きます)。

コストと利益の関係性が不明確になる

ECサイト運営は非常に手間がかかります。顧客一人一人に対応しなければいけませんし、商材によっては電話が鳴りまくるケースもあるでしょう。在庫の管理も1点1点明確に入出庫管理しなければなりませんし、出荷に関しても丁寧に袋詰めをして誤出荷無く行わなければならないためバーコード管理が必須です。運送料に関しても小売り用の契約が必要になるため倉庫を分ける必要すら出てきます。

このように卸と共有できないコストがたくさんありますので、EC事業にかかっているコストを明確に見る事が困難となってしまいます。

そもそも顧客が異なる

上記でも述べていますが、ECサイト運営事業はイチ一般消費者を第一に見て運営しています。卸売業はショップやブランドのバイヤーさんのために仕事をします。そもそも顧客が異なるわけで、ヒト・モノ・カネを集中させるという点で考えれば別法人で設立というのは当然の事です。大手企業も新事業のために新会社を設立していますよね?

このようにメーカーがECに参入したいのであれば別会社設立をお勧めします。

さいごに注意点

これは楽天市場の話なのですが、事業の譲渡は認められていません。別会社を畳んでショップをそのままメーカー側の法人で回収したくてもできません。現行のショップを閉店して、新たに楽天で出店しなおさなければならないので注意が必要です。レビューもランキング1位のキャプチャも使用できませんので、モール関係は規約の確認を事前に行いましょう。

ただ冒頭でも述べたように、「それでもやる」という覚悟が必要なのです。

ではまた。

 

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父ちゃん
小さなお店を営む父ちゃんです。