こんにちは、ネットショップのサジェストワードに「売れない」というワードが結構入ってきて少し悲しい今日この頃です。
ECの時代だとかeコマース革命だとか好き勝手叫ばれている昨今ですが、しっかりと現実を見るフェーズがあっても良いのではないかと思っています。
もちろんしっかりと成功している店舗や企業があるのは事実ですが、日の目を見ずに苦戦している企業や下り坂の企業がほとんどなのでは無いでしょうか。
今一度自分が扱っている商材がもつ性質を考察すべきだと思います。
価格競争になりやすいかどうか
まずはこれが最大のポイントだと思います。価格競争になる原因は業界への参入のし易さだと思いますが、現在は仕入サイトや問屋等が充実していますので商品の仕入れは簡単です。撮影においても家族をモデルにしたりしてスマホで撮るだけでも十分なため、ファッション系のネットショップは参入自体とても楽だと思います。
しかも自宅の副業レベルで始めればさほど利幅はいりませんので、企業側は値下げ競争に勝てません。じゃあオリジナルで誰にも負けない商品を作ればいい!となりますが、結局売れる商品はすぐ真似をされます。そもそもどこの商品もなんかしらのブランド等を真似て作られていますので、オリジナリティの確保は相当難しいです。
徐々に企業としてファッション系のネットショップを運営するのは厳しい世の中となってきていて、百貨店が中小のネット通販企業に負けているのと同じで、現在は大手通販サイトが個人レベルのお店に負け始めていると思います。
商品ページのアップは非常に時間がかかる
実店舗は入荷した商品を並べるだけですが、ネット通販は商品ページを作成してアップする必要があります。これが家電や文房具、ゲームソフトやブランド品等の型番品と呼ばれるものは商品の詳細が省略できるため手間はさほどかかりません。
しかしノーブランドのアパレルやシューズ等はモデル着用のイメージ写真や、実際の色に近づけるカラー補正の作業等で商品詳細をユーザーに伝える必要があります。実はこの作業がとてもネックになっていて、そこそこ手慣れたWEBスタッフでも1日2商品程が限界となります。
ファッション系ネット通販にブラック企業が多いのはここが特に起因となっている場合が多いでしょう。仮にWEBスタッフのコストが日当計算で1万円だとすると、1商品並べるだけで5,000円もかかります。
下記例で見ますと、
例)2,900円のワンピース 仕入れ値50%の場合
販売額 | 商品原価 | 販売手数料10% | 送料無料 |
2,900円 | 1,450円 | 290円 | 500円 |
結果粗利660円。
1アイテム最低8点売れて初めてWEBスタッフのコストが賄えるレベルとなります。実際に売ってみるとわかりますが、全ての商品がこのラインを超えるのは上位店舗だけです。もちろん1アイテムで運営するわけがないので、出品するアイテム数分このリスクが付きまといます。
個人でやっている分には無駄な作業をしたってだけで終わりますが、会社でやるとそうはいきません。次々と撤退や倒産する企業が増えるのは、デフレによる利益率の低下やライバルの増加が原因でこのコストをカバーできなくなっているのです。
まとめ
先日楽天で有名な某レディースファッションジャンルの店長が、出来る事なら2~3人で細々とやる状態に戻りたいと言っていました。
このようにビジネスモデル上の問題なので、今後改善することは困難だと思います。
それらを理解した上でも勝てる!と自信があるなら参入すべきでしょう。