先日楽天EXPOへ参加させていただき、楽天市場における今後の戦略や方針などを聞いてまいりました。
こういった会合は年に2回あり、毎回施策や方針がコロコロ変わるのでたくさん失敗しているんだなあという印象を受けるのですが、実のところこのトライアンドエラーを徹底している部分が楽天の強みでもあります。
楽天市場と言えば守銭奴だの店舗から金を巻き上げすぎだの言われる事が多々あり、嫌っている人が多いのも事実です。そういった理由もあってか、ネットショップ系のコンサルタント会社は脱楽天!脱モール!などのキャッチコピーでセミナーを開催しているのをよく見かけます。
しかし誤った認識で楽天市場に嫌悪感を持ち、ビジネスチャンスを逃してしまうのは本当にもったいない事だと思います。そこで今回は楽天市場の強みをしっかり理解して頂き、楽天市場への出店は正しい選択肢の1つという事を知ってもらいたいと思います。
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楽天市場の強み
育成されたユーザー層
私が楽天市場における最大の強みだと思っているのは、独自の文化で育成されたユーザー層です。これは店舗と購入者どちらにも言える事なのですが、楽天市場はお店とお客さんのコミュニケーションが非常に活発なモールとなっています。
そして抽象的な意見ではありますが温かいお客さんが多い印象で、値段だけではなく商品に込めた思いをしっかり受け取ってくれるお客さんがたくさんいます。そのために安い粗悪品がランキングに並ぶことも少ないですし、良い商品は多少高くてもしっかり売れます。
ヤフーショッピングやポンパレモール、Amazonなどはとにかく値段だけで売れる物が決まるイメージで自動販売機的な感じなのですが、心温まるレビューや感謝のメールなどがお店に届く楽天市場はまるで対面販売のような印象を受けます。
仮想通過に近づく楽天ポイント
そしてもう1点は楽天ポイントです。楽天サービス内で使えるポイントシステムですが、最近ではマクドナルドやくら寿司、ミスタードーナツなどの飲食店でも使えるようになり今後も使える店舗が増えると予想されます。以前はTポイントが優勢な時代が続いていましたが、最近では完全に風向きが変わりつつあります。
無料で配布されている楽天ポイントカードやスマートフォンアプリを使ってバーコードを提示すれば、ポイントが貯まったり利用したりする事が可能ですのでぜひ使ってみてください。
このようにあらゆるサービスで楽天ポイントが使えるようになると、ビットコインのような仮想通過的な位置づけに近づいていると言えますし、三木谷氏もそこを目指しているとおっしゃっていました。
ちなみに私はこのブログのアフィリエイトで毎月数千ポイントが貯まるため、ちょくちょく近所のくら寿司に家族を連れていっていますw
8年連続ナンバーワンの楽天カード
そして極めつけは楽天カードマンでお馴染みの楽天カードです。審査がゆるめと言う事と、貯まるポイントの利便性もあり会員数は1400万人を突破して、会員の純増スピードもトップクラスとなっています。
8年連続クレジットカード部門で第1位を獲得。会員数は1,400万人を突破しました(2017年4月時点)
情報源: 楽天株式会社: 楽天カード、クレジットカード業務の基幹システムを全面刷新し本格稼動を開始 | ニュース
楽天カードを持つ事で楽天市場での買い物時に特典も得られますので、このカードを持っているユーザーの楽天市場利用度は非常に高くなります。
つまり楽天カード会員数の増加は楽天市場での流通額に比例するという事ですので、今後もまだまだ伸びるという事になります。
脱モールは楽天市場で成功するより難しい
上記で述べたように、多くの購買意欲が高いユーザーがいる楽天市場で上手くいかないショップが脱モールなんかしても上手くいくわけありません。
たしかにロイヤリティは発生しますがもろもろ含めても売上げの約1割程度ですし、広告を使わなくても売れる物は勝手に売れていくマーケットです。脱モール宣言をする前に、まずは楽天で売れる商品を生み出す力を付ける事が先決です。
楽天以外のモールは論外
ヤフーショッピング
基本無料を打ち出して出店者は増えましたがモラルハザードが発生し、無茶苦茶です。偽物は当たり前だわ強制退店させられても名前を変えてゾンビのように復活するわでカオス状態なうえ成長の兆しも全く見えませんのでこれからどうするのか見ものです。
楽天市場のついでに出店するのもアリかな?程度です。
Wowma(旧DeNAモール)
DeNAに切り捨てられたポンコツECサイトですが全く売れませんね。基本利用料を下げましたが根本的にユーザーの質が悪いので良い印象はありません。一応出店はしていますが、無くても困らない程度でしょう。
ポンパレモール
論外です、ファッションジャンルのランキングには粗悪品のゴミばかりが上位に並ぶ全くオススメできないECサイトです。筆者のショップは早々に撤退しました。全くもってこのモール事業は失敗でしょう。
Amazon
ここはモールではありません、あくまでユーザーと繋がりを持つのはAmazonなので卸のようなものです。目先のお金が欲しいだけならやってみても良いのでは?
結局楽天市場の1強
色々と言われますが、結局インターネットショッピングモールは楽天市場の独壇場となっており、他の追随を許していません。
店舗に対する教育環境も相当整っていますし、ネットショップ初心者さんこそまず楽天で頑張ってみるべきだと思います。
常に商品がランクインするようになり、ショップの知名度が上がってきてから独自サイトを検討してみてはいかがでしょうか。恐らくそこまで行けば楽天市場を辞めるなんて馬鹿げた事だと実感するはずです。
そもそも独自サイトとモールのお店はコンセプトが別物だという認識でいれば両立は可能だと思っています。
最後にネットショップ支援系のコンサル会社が何故「脱楽天」を推すのか、それは楽天から切り離す事でやっと自分たちの出番が来るからです。
ではまた。